Insight2026.10.30

ブランド公式TikTokを連続ドラマにするとき、最初に何を決めるか

#媒体別#TikTok

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ブランド公式のTikTokを連続ドラマにするときは、商品ではなく「舞台」と「登場人物」を先に決め、商品は衣装や小道具として自然に画面へ入れる順番で設計します。商品の説明から始めると、見る人は広告だと感じて離れてしまうためです。

順番決めること決める理由
1舞台(どんな場所・状況の話か)商品と関係なく、見たくなる入口をつくる
2登場人物と関係性次の回も見たいと思う理由になる
3全体の話数と配信の間隔続きを待つ習慣をつくる
4商品が画面に入る場面説明ではなく使われる場面として見せる
5舞台裏の見せ方本編を見た人の関心を、さらに深める

公式の動画は、なぜ商品の説明だけだと見られにくいのか

TikTokは、見る人が流れてくる動画をすぐに選別する場です。冒頭の数秒で商品名や特徴が並ぶと、広告と判断されて、続きを見る前に次の動画へ移られます。

公式アカウントに求められているのは、商品の紹介ではなく、「次も見たい」と思わせる理由をつくることです。その理由になるのが、物語の舞台と登場人物です。商品はその物語の中で、登場人物が身につけたり使ったりするものとして登場させます。

海外の衣料ブランドは、どのように連続ドラマを設計したのか

海外の衣料ブランドは、2026年10月14日に、TikTok向けの全5話の短い連続ドラマを始めました(出典:Marketing Dive)。ブランドの自社のチャンネルで週に1話ずつ配信し、あわせて舞台裏の映像も公開する形です。報道によると、ブランドとしてチャンネルを先に使う形の番組は初めての取り組みとされています。

舞台は、古い仕組みを使う架空の旅行会社です。本社から来たコンサルタントが会社を新しくしていく、という設定で、1人の俳優が社員全員を演じ分けます。商品は、衣装を通じて、スタイルや素材、コレクションを伝える役を担っています。商品の紹介を前面に出さず、物語の登場人物の装いとして見せている点が、設計の中心です。

最初の1話の前に、何を決めておくのか

最初の1話を作る前に、5つの順番のうち、少なくとも「舞台」「登場人物」「話数」の3つを決めておきます。ここが曖昧なまま撮影に入ると、1話ごとの出来にばらつきが出て、シリーズとしての一貫性が失われます。

たとえば、化粧品ブランドであれば、舞台を「ある会社の化粧室」に、登場人物を新人とベテランの2人に設定し、商品は2人の会話の中で使われるものとして登場させる設計が考えられます。たとえば、食品ブランドなら、舞台を「家族の朝の台所」にして、商品は朝食の場面に自然に置く形になります。どちらも、商品を説明するための場面ではなく、登場人物の暮らしの一部として見せるのが共通の考え方です。

連続ドラマの設計で、つまずきやすい点は何か

つまずきやすいのは、話数を増やしすぎることと、商品を入れる場面を欲張ることです。話数が多いと、1話ごとの密度が落ちやすく、見る人の関心が途中で途切れます。まずは少ない話数で完結する形から始めるのが安全です。

商品を入れる場面も、毎回に詰め込むと、広告の色が強く出てしまいます。たとえば、全5話のうち、商品が主役に近づく回を1〜2回に絞り、残りは物語を進める回として、商品は背景に置きます。見る人が物語に入り込んでから商品に気づく流れのほうが、結果として記憶に残りやすいと考えられます。

連続ドラマは、インフルエンサーの起用とどう組み合わせるのか

公式のチャンネルだけで配信する場合でも、舞台と登場人物の設計は、外部のクリエイターに協力をお願いする施策にそのまま使えます。たとえば、クリエイターに登場人物の一人を演じてもらう、あるいは自分のチャンネルでも同じ舞台の別の話を作ってもらう、といった形です。

その場合は、依頼の段階で、舞台と登場人物の決まりごとと、投稿に必要な表記を伝えます。媒体ごとの使い分けはInstagram・TikTok・YouTube、どの媒体でPRすべきかで整理しています。企業らしさを抑える考え方はTikTokのPR投稿で、企業っぽさが出すぎないようにするにはどうするか、1本の動画に入れるメッセージの絞り方はTikTokは尺の短さゆえに、ブランドメッセージをどう入れ込むべきかにまとめています。

この記事の範囲

この記事は、ブランドの公式TikTokで連続ドラマ形式の動画を設計するときの考え方を扱っています。特定のブランドの成果を評価するものではなく、報道された範囲の内容をもとにしています。撮影の技術や、個別の脚本の作り方は扱っていません。

おわりに

連続ドラマの設計は、舞台、登場人物、話数の順に決め、商品は物語の中に置く、という順番がすべてです。商品を前に出さないことで、見る人が最後まで見てくれる確率を高められます。