インフルエンサー 起用で 著作権侵害を 避けるには、 契約で 何を 決めるか
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インフルエンサーが制作したコンテンツの著作権は、特別な取り決めがない限り本人に残ります。著作権侵害を避けるには、「どのコンテンツを、どの範囲で、いつまで使うか」を契約書で明確に定め、その範囲を超える使い方を行わないことが基本の対策です。
| 場面 | 起こりやすい問題 | 契約で決めておくこと |
|---|---|---|
| 投稿を自社サイトに転載する | 許諾した範囲を超えた掲載 | 使ってよい媒体と期間 |
| 投稿を広告として配信する | 広告利用は別の許諾が必要になりやすい | 広告利用の可否と期間 |
| 動画を編集して使う | 本人の意図と異なる改変 | 編集の可否と事前の確認 |
| 投稿に使われた音楽や素材 | 本人以外の権利が含まれる | 第三者の権利の扱いと責任の分担 |
| 契約期間が終わった後 | 期間終了後も使い続ける | 終了後の取り扱い |
著作権は、 誰に、 どのように 残るのか
著作権は、作品を創作した時点で、手続きなしに創作した人に生まれます。インフルエンサーが撮影・編集した投稿は、依頼を受けて制作したものであっても、契約で別の定めをしなければ、本人の著作物として残るのが基本です。ブランドが費用を負担して依頼した場合も、それだけで著作権がブランドに移るわけではありません。
著作権は、使う権利である「利用の許諾」を得るか、権利そのものを譲り受けることで、他の人が使えるようになります。実務では、権利の譲渡よりも、使う範囲を決めた利用許諾の形が多く使われます。また、著作権とは別に、公表の仕方や氏名の表示、内容の改変について本人が持つ権利もあります。許諾を得ていても、本人の意に反する改変は問題になることがあります。制度の全体像は、文化庁の著作権を学ぶ(2026年11月確認)で確認できます。
契約書には、 何をどこまで 書くべきか
契約書に書くのは、使う対象、使う媒体、使う期間、改変の可否の四つです。これらが曖昧だと、あとから「そこまで許したつもりはない」という食い違いが生まれます。
たとえば、タイアップ投稿を本人のアカウントで公開するだけの依頼と、その投稿をブランドの公式サイトや店頭の映像に転用する依頼では、必要な許諾が異なります。後者は、依頼の段階で転用の可能性を伝えておく必要があります。使う可能性のある場面を最初に洗い出し、書き込んでおくと、後から追加で許諾をお願いする場面を減らせます。投稿素材の広告転用の考え方は投稿素材の二次利用とは?広告転用の基本と注意点にまとめています。
投稿に 含まれる 音楽や 素材は、 どう 扱うべきか
投稿に使われる音楽、画像、映像の素材には、本人以外の人が権利を持つものが含まれることがあります。その場合、本人との契約だけでは、他の場面での利用は整理できません。
たとえば、投稿で流れている音楽が、プラットフォームの中で使うことだけを前提に提供されたものだったとします。この動画をブランドの別の媒体で使うと、音楽の権利者の許諾が別に必要になる場合があります。契約では、投稿に含める素材の確認を誰が行うか、問題が生じたときの対応を誰が担うかを決めておきます。依頼の段階で、本人に使う素材の出どころを共有してもらう流れを作っておくと安心です。
契約が 終わったあと、 投稿はどう 扱うべきか
契約の期間が終わったあとの扱いも、契約で決めておくことの一つです。決めていないと、期間内の許諾が終わっても、サイトや店頭の映像に投稿が残り続けることがあります。
たとえば、半年間のアンバサダー契約で撮影した動画を、契約終了後も公式サイトに載せ続けたいと考える場面があります。この場合は、終了後の掲載を許すのか、一定の猶予をもって取り下げるのかを、契約の時点で書いておきます。終了後も使いたい素材は、期間を延ばす合意を別に結ぶ方法もあります。本人との関係が続いているうちに話し合っておくと、お互いの負担が小さく済みます。
範囲外の 利用を 防ぐために、 社内では 何をすべきか
契約書を整えても、社内で使う人が範囲を知らなければ、範囲外の利用は起こります。契約で決めた範囲を、使う担当者が見られる形にして共有しておくことが重要です。
具体的には、素材ごとに「使える媒体」「使える期間」「改変の可否」を一覧にし、使う前にそこを確認する習慣を作ります。期間が終了する日が近づいたら、更新するのか使用をやめるのかを判断する担当も決めておきます。担当が替わったときに範囲が引き継がれないことが、実務ではよく起こるつまずきです。
この 記事の 範囲
この記事は、インフルエンサー起用での著作権トラブルを避けるための、契約と社内運用の考え方を整理したものです。個別の契約書の文面や、特定の利用が権利侵害にあたるかどうかの法的な判断は行いません。具体的な判断が必要な場合は、法務の担当者や専門家に相談してください。
おわりに
著作権の問題は、投稿が公開されたあとではなく、依頼の段階で多くが決まります。使う範囲を言葉にして、契約と社内の運用の両方に落とし込むことが、確実な備えです。契約全体の項目はインフルエンサー契約書に最低限入れておくべき項目とは何かで整理しています。