Insight2026.10.30

競合ブランドと契約中のインフルエンサーを起用したいとき、どうするか

#起用設計#選定プロセス

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起用したい人が競合ブランドと契約中だと分かったら、同じ時期の起用は進めず、契約の期間と範囲を確認したうえで、期間が明けるタイミングに合わせて打診し直すのが基本です。確認は本人ではなく、窓口になっている所属先やマネジメント側を通して行います。

状況基本の判断次にすること
契約の期間が明ける時期が分かる明けた後の起用に切り替える実施時期を後ろへ動かせるか、ブランド側で確認する
契約の範囲が競合のカテゴリに限られる範囲の外なら進められる可能性がある「どこまでが競合か」を文面で確認する
契約の中身が教えてもらえない同時期の起用は見送る無理に聞き出さず、別の候補を並べて検討する
期間が長く、実施時期に間に合わない候補を変える同じ世界観の別の候補を、早めに提案し直す

競合ブランドとの契約は、どう確認するのか

確認の入口は、候補の所属先やマネジメント側の窓口です。「競合にあたる契約や、他社案件の制限はありますか」と、依頼の最初の段階で聞きます。候補の個人に直接たずねると、契約の中身を話しにくい立場に置いてしまうため、窓口を通すほうが双方にとって安全です。

聞くことは3つに絞ります。制限の対象になっているカテゴリ、制限の期間、そして期間中に例外が認められる場合があるかです。たとえば、美容ブランドの発表会に招きたい候補が、別の化粧品ブランドの専属になっている場合は、スキンケアだけが対象なのか、美容全般が対象なのかで判断が変わります。

契約中と分かったとき、どう判断するのか

判断の軸は「競合」の範囲です。同じカテゴリの商品どうしで、同じ時期に同じ人が登場すると、見る人は両方のブランドを結びつけて受け取ります。その状態は、契約を結んでいる側のブランドにとっても、新しく依頼するブランドにとっても好ましくありません。

そのため、契約の範囲に入っている場合は、同時期の起用を押し通さないことが原則です。範囲の外だと考えられる場合も、ブランドの側だけで判断せず、所属先に文面で確認を取ってから進めます。口頭の「たぶん大丈夫」では、後から食い違いが生じます。

期間が明けるのを待つ場合、何を準備しておくのか

待つと決めたら、期間が明けた直後に打診できるよう準備します。まず、実施時期をずらせるかをブランドの社内で確認します。発売日や記念日に結びついた施策は動かせないため、その場合は待たずに候補を変える判断になります。

次に、打診の文面を先に用意しておきます。期間中も連絡を重ねて催促するのではなく、明ける時期の少し前に1度だけ、改めて依頼の意図と実施の内容を伝えます。たとえば、秋の新作に合わせた施策を春に延ばす場合は、延ばしても意味が変わらないかを、先にブランド側で整理しておくと話が早く進みます。

待つ場合と候補を変える場合は、どこで分かれるのか

分かれ目は、施策の日程にどれだけ余白があるかです。発売日や周年の催しのように日付そのものに意味がある施策は、期間の明けを待つと施策の意味が変わってしまうため、候補を変えるほうが現実的です。

一方、季節の企画やブランドの世界観を伝える長めの施策は、時期を後ろへ動かしても意味が保たれることがあります。たとえば、新作の発表に合わせた1回きりの催しなら候補を変え、シーズンを通した発信なら期間の明けを待つ、という使い分けです。迷うときは、候補を2〜3人並べて比べ、その人でなければ成り立たない理由があるかを確認します。理由が「知名度が高いから」だけであれば、変える選択肢を先に検討します。

所属先から返事がないまま日程が迫ったら、どうするのか

確認を頼んだまま返事が来ない場合は、その候補を「確認中」として保留にし、別の候補の検討を並行して進めます。返事を待つあいだに日程が詰まると、最終的にどちらの候補も押さえられなくなるためです。

保留の期限は、提案書の提出日から逆算して決めます。期限までに返事が来なければ、その候補は今回は見送り、次の機会に改めて打診します。見送るときも、「競合の契約の有無を確認したかった」という理由を、短く丁寧に所属先へ伝えておくと、次の依頼のときに話が進みやすくなります。

同じことを起こさないために、設計の段階で決めておくことは何か

多くの場合、競合契約の確認が遅れるのは、候補を絞り込んだ後で聞くからです。候補リストを作る時点で、競合にあたる契約の有無を確認項目に入れておけば、提案の後に外す手戻りを減らせます。

もう一つは、ブランド側の「競合」の定義を先に決めておくことです。どのカテゴリ、どの価格帯までを競合とみなすかが曖昧だと、確認を頼まれた側も答えられません。キャスティングは依頼の前の段階で勝負がほぼ決まるため、確認の順番を設計に組み込むことが大切です。

依頼する側が他社案件の制限をどう決めるかは、競合排他は、どの範囲・期間で決めるべきかで詳しく扱っています。キャスティング全体の考え方は、インフルエンサーキャスティングとはにまとめています。依頼の段階から整理したい場合は、キャスティングのページも参考にしてください。

この記事の範囲

この記事は、起用の前に競合との契約が分かった場合の考え方を扱っています。個別の契約書の読み方や、契約違反にあたるかどうかの法的な判断は扱っていません。

おわりに

競合契約の確認は、依頼の最初に、所属先の窓口を通して行うのが基本です。待つか、候補を変えるかは、実施時期が動かせるかで決まります。確認の順番を設計の段階で決めておけば、無理な交渉を避けられます。