Insight2026.11.04

契約更新のタイミングで確認しておくべきことは何か

#起用設計#契約

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契約更新で確認することは、更新の1〜2か月前に「前回の実績の振り返り」「条件の見直し希望」「更新しない場合の整理」の3つを机に並べることです。直前の打診では、双方に条件を調整する時間が残らず、前回と同じ条件を延ばすだけの更新になりがちです。次の表は、更新の1〜2か月前に確かめておく項目と、関わる人をまとめたものです。

確認する項目見るもの関わる人
前回の投稿実績約束した本数・時期と、実際の投稿の差ブランド・代理店
使用範囲と期間二次利用の範囲、終了日、終了後の取り扱いブランド・代理店・本人側
競合排他制限した業種の範囲と期間が今も妥当かブランド・本人側
条件の変更希望本数、修正回数、撮影の負担双方
更新しない場合の整理投稿の残し方、使用の終了日ブランド・代理店

契約更新は、いつ誰が動き出せばよいのか?

更新の打診は、終了日の1〜2か月前に代理店かブランドの担当者から始めます。理由は、本人側にも次の期間の予定があるからです。他のブランドとの契約や、撮影の予定を入れている時期に直前の相談を受けると、条件を見直すより「いまの条件のまま延ばす」ほうが現実的になります。

たとえば、半年のアンバサダー契約が3月末に終わる場合、2月上旬には社内で前回の振り返りを終え、本人側に更新の意向と見直したい点を伝えます。契約書に自動更新の条項があるときは、通知の期限が終了日の何日前かを最初に確かめます。期限を過ぎると、見直したい条件があっても前回と同じ条件で続くことになるからです。

前回の実績は、何を基準に振り返るのか?

基準は、契約書に書いた約束です。投稿の本数、投稿の時期、PR表記の有無、修正への対応が、約束どおりに進んだかを一つずつ照らします。数字の良し悪しだけで更新を決めると、本人の側から見て「何を評価されたのか」が分からなくなります。

たとえば、反応が想定より小さかった投稿があった場合も、まず確かめるのは設計の側です。投稿の時期が商品の発売と離れていなかったか、ブリーフの内容が撮影の前に十分に伝わっていたか、といった点です。うまくいかなかった原因を本人の努力に置くと、更新の話し合いが評価の場になってしまいます。振り返りは、次の期間の座組を良くするための材料として扱います。

条件の見直しは、どこまで話してよいのか?

見直してよいのは、本数、修正回数、使用範囲、使用期間、競合排他の範囲です。前回の運用で負担が大きかった点は、本人側からも出やすい項目です。たとえば、修正の回数が実際には多くなっていた場合、更新の際に回数の上限と、修正を依頼できる期間をあらためて決めておくと、次の期間の進行が楽になります。

競合排他は、更新のたびに範囲を見直します。前回は広めに制限した業種でも、今期は商品が変わって範囲を狭めてよいことがあります。逆に、新しい商品の発売が近いなら、制限の期間を発売日に合わせて伸ばしたい場合もあります。変えたい点は、理由と一緒に書面で本人側へ渡します。

更新しない場合は、何を整理するのか?

更新しないと決めたときこそ、終了後の取り扱いを書面で確かめます。確認するのは、既に公開した投稿を残してよいか、広告などでの使用をいつまでとするか、終了日以降に新しく使う素材がないか、の3点です。

たとえば、広告への転用を契約期間の終わりまでと決めていた場合、配信の終了日が契約の終了日より後ろに残っていないかを見ます。終了の連絡も、更新の打診と同じ時期に済ませておくと、双方が次の予定を立てやすくなります。契約の文言の確認が必要なときは、法務の担当者に相談してください。契約全体の考え方は、インフルエンサー契約の基本にまとめています。

更新の前に、最初に決めておくこと

更新の話し合いを始める前に、社内で次の5つを決めておきます。

  1. 更新の判断をする人と、その期限
  2. 前回の実績を振り返る材料(契約書、投稿の一覧、やり取りの記録)
  3. 次の期間で見直したい条件と、その理由
  4. 更新しない場合の、投稿の残し方と使用の終了日
  5. 本人側へ最初に連絡する日と、連絡する人

この5つが決まっていれば、打診の連絡は短い文面で済みます。起用の進め方全体は、インフルエンサーキャスティングとはで整理しています。キャスティング会社が起用のどこまでを担うかは、こちらのページにまとめています。

この記事の範囲

この記事は、契約更新の前に確かめる項目の整理です。個別の契約書の条文が適切かどうかの判断や、法的な助言は含みません。契約書の内容は、案件ごとに異なります。

おわりに

契約更新は、終了日の直前ではなく、1〜2か月前に動き出すだけで話し合える範囲が広がります。前回の約束を基準に振り返り、変えたい点を理由と一緒に伝えることが、次の期間を円滑に進める土台になります。