Insight2026.10.21

未経験からキャスティングの仕事に就くとき、最初に何を身につけるのか

#採用#キャスティング

未経験でキャスティングの仕事に就いたとき、最初に身につけるのは「候補の探し方」「依頼文の書き方」「PR表記のルール」「数字の読み方」の4つです。私たちの採用ページには「実務経験不問」「研修制度はありません」と書いてあります。つまり、この4つは座学ではなく、入社後に実際の案件の中で覚えていくものです。この記事では、その4つが仕事のどの場面で必要になり、何から手を付ければよいかを整理します。

最初に身につけること仕事のどの場面で使うか先に読んでおける記事
候補の探し方(リストの見方)企画の与件から、ブランドに合う候補を並べる場面候補リストを受け取ったら、どこを見て選べばよいか
依頼文の書き方候補に起用をお願いし、条件を伝える場面依頼を断られやすい案件にはどんな共通点があるか
PR表記のルール投稿の内容を確認し、表示が足りているかを見る場面PR表記とステマ規制
数字の読み方投稿後の結果をまとめ、ブランドに報告する場面リーチとインプレッションの違い
1案件の6段階と最初に身につける4つの対応
1案件の6段階と最初に身につける4つの対応

キャスティングの仕事は、1案件の中でどう進むのか

私たちの仕事は、企画、候補の選定と交渉、現場の運営、投稿のディレクション、成果の報告を分業せずに1人が一貫して担当する形です。実行は2名1組のチームで、担当は1名です。採用ページでは、本番日(T)を基準に、与件整理と企画(T−30)、キャスティング(T−21)、交渉と調整(T−10)、現場運営(T±0)、投稿ディレクション(T+3)、成果報告(T+14)の6段階で流れを示しています。上の表の4つは、この6段階のうち、キャスティング、交渉、投稿ディレクション、成果報告の4つの段階にそれぞれ対応しています。

未経験の人が最初に担当するのも、この流れの一部からです。たとえば、先輩が担当する案件で、候補リストの下調べ(過去の投稿を見て、ブランドの文脈に合うかを確かめる)から始め、次に依頼文の下書き、投稿前の表記の確認、報告書の数字の集計へと範囲を広げていきます。仕事の全体像は、インフルエンサーキャスティングの仕事とはで6つの業務と1日の流れとして書いています。

候補の探し方は、何から覚えるのか

候補の一覧は社内の仕組みで出しますが、選ぶのは人です。最初に覚えるのは「数字で選ばない」ことです。フォロワー数が多い順に並べ替えるのではなく、過去の投稿を実際に開いて、写真の質感や言葉づかいがブランドの世界観に収まるかを見ます。たとえば、化粧品の新作のギフティングで候補を探すなら、同じ領域の投稿を続けているか、投稿の中で商品をどう扱っているか(置き撮りか、使っている場面か)を見て、ブランドの見せ方に近い人を残します。

この作業は時間がかかりますが、キャスティングの成否はリストの段階でほぼ決まります。考え方はキャスティングの成否は、リストの段階でほぼ決まっているに書いています。私たちの行動指針には「相手目線を貫く」とあり、フォロワー数によって対応を変えず、今回の起用につながらなくても関係を続けるという方針も採用ページに載せています。候補を探す段階から、この姿勢で見ることが前提です。

依頼文の書き方は、何が難しいのか

依頼文で難しいのは、条件を正確に書くことより、「なぜあなたにお願いしたいのか」を本人の投稿に根ざして書くことです。定型文を一斉に送ると反応は鈍くなります。たとえば、発売前に20名へ商品を送る場合、20通それぞれに、その人のどの投稿を見てお願いしたいと思ったかを1〜2文で添えます。これは候補の探し方で投稿を実際に見ていれば書けることで、4つの技能はつながっています。

条件面では、投稿の本数、修正の回数、素材の使用期間と範囲を、依頼の段階で書いておきます。後から条件を足すと関係が悪くなりやすいからです。依頼から本人の合意までにかかる時間の目安は、起用の依頼から本人の合意まで、リードタイムはどれくらい見ておくべきかで扱っています。

PR表記のルールと数字の読み方は、どの段階で必要になるのか

PR表記は、投稿前の確認の段階で必要になります。2023年10月から、事業者が第三者に依頼した投稿で広告であることが分からない表示は、景品表示法で規制の対象です。規制の対象は広告主ですが、投稿を確認するのは私たちの仕事なので、どの表示が足りていて、どの表示が足りないかを判断できる必要があります。最初は先輩の確認に同席し、「広告」「PR」の文言がどこに入っていれば分かりやすいかを、実際の投稿で見ていきます。

数字の読み方は、成果報告の段階で必要になります。リーチとインプレッションの違い、保存数が何を示すか、投稿率をどう出すかを、報告書を作りながら覚えます。KPIの組み方はインフルエンサー施策のKPI設計にまとめています。数字は「大きいか小さいか」ではなく、「企画の目的に対してどうだったか」で読みます。

4つの技能のつながり
4つの技能のつながり

向いている人・向いていない人はどう違うのか

採用ページには、活躍している人として「自分で調べて質問に行ける人」「人に喜ばれることを喜べる人」「2〜3年後から逆算して担当範囲を広げられる人」を挙げています。研修制度が無く、1か月のオンボーディングの後は実案件の中で覚える前提なので、分からないことを自分から聞きに行けるかが、最初の数か月を左右します。入社して半年ほどで5〜10件程度を同時に担当する見込みで、業務量には波があります。

向いていない人としては、「担当実績の公表を動機にする人」「業務を固定して担当したい人」「体系的な研修を前提にする人」「華やかな場面だけを求める人」を挙げています。担当案件は守秘義務により社外で公表できません。リーダーを含め全員が売上目標を持ちます。向き不向きはキャスティングの仕事に向いている人・向いていない人で詳しく書いています。

入る前に知っておいてほしいことは何か

  1. 研修制度はありません。1か月のオンボーディングの後は、実案件のOJTで覚えます
  2. 業務量には波があります。締切前、イベント前、投稿直前は増え、落ち着いた時期の時間配分は各自に任せます
  3. 担当した案件は、守秘義務により社外で公表できません
  4. リーダーを含め全員が売上目標を持ちます
  5. 応募の要件として、実務経験、学歴、前職の業界は問いません。選考でも、経験・学歴・前職の知名度は評価項目に含みません

エントリーの設問は「好きなインフルエンサー3名とその理由」で、正解はありません。この設問は、候補の探し方の最初の一歩(人の投稿を見て、なぜ良いと思ったかを言葉にする)そのものです。働き方、選考の流れ、待遇などの募集要項は、採用ページに載せています。

この記事の範囲

この記事は、採用ページと公開済みの記事に載っている事実だけをもとに書いています。給与や待遇の金額、個々の社員の経歴や担当案件は扱っていません。「最初に身につける4つ」は私たちの現場での順序であり、他社のキャスティング職に当てはまるとは限りません。育成の期間や到達の目安は人によって異なるため、ここでは示していません。

おわりに

未経験から始めるとき、最初に身につけるのは、候補の探し方、依頼文の書き方、PR表記のルール、数字の読み方の4つです。どれも案件の中で覚えるもので、上の表の記事を先に読んでおくと、最初の案件で何を見ればよいかが分かります。応募を考えている方は、採用ページの「事前にお伝えすること」も合わせて読んでみてください。