店頭・商業施設のイベントで、一般来場者の投稿を増やすにはどうすればよいか
店頭・商業施設のイベントで一般来場者の投稿を増やすには、招待者向けの体験設計とは別に、「撮りたくなる場所」「投稿しやすいきっかけ」「待ち時間の使い方」の3点を一般来場者向けに設計する必要があります。
| 施策 | 何に効くか | 注意点 |
|---|---|---|
| フォトスポットの設置 | 撮りたくなる場所をつくる | 主要動線を塞がない位置に、複数箇所に分けて置く |
| 展示物に添える一言カード | 投稿しやすいきっかけをつくる | ハッシュタグの提案はしてよいが、投稿を強制する文言は避ける |
| 待ち列でのミニ体験・掲示 | 待ち時間を退屈にしない | 情報を詰め込みすぎて列の進みを遅くしない |
なぜ招待者と一般来場者を分けて設計する必要があるのか
招待者は、依頼を受けて来場している時点である程度の投稿意欲を持っていますが、一般来場者はそうではありません。たまたま立ち寄った方、他の目的でその場所に来た方が大半で、投稿する理由を自分で見つけてもらう必要があります。招待者向けの体験をそのまま広げるだけでは、一般来場者には「特別感のない展示」としか映らず、投稿のきっかけになりません。たとえば、招待者向けには体験の順路やスタッフの案内を手厚く用意できますが、一般来場者が多い店頭イベントでは同じ手厚さを全員に提供することは現実的ではありません。一般来場者向けには、スタッフの案内がなくても自然に目に入り、自然に撮りたくなる仕掛けを、会場の設計そのものに組み込んでおく必要があります。この違いを前提にしないまま「投稿が増えない」と結論づけてしまうと、一般来場者の関心の低さが原因だと誤って捉えてしまい、会場設計側の見直しにたどり着けなくなります。
一般来場者向けの投稿施策で気をつけることは何か
フォトスポットは、主要な人の流れを妨げない位置に複数用意することが前提です。一箇所に集中させると、そこだけが混雑し、他の来場者の体験を損ないます。展示物に添える一言カードで投稿を促す場合も、「ぜひ投稿してください」という押しつけがましい言い方ではなく、「こんな角度で撮ると映ります」といった提案型の言い方にとどめます。待ち列では、スマートフォンで見られる簡単なコンテンツや、列の途中にある小さな展示が、待ち時間の体感を和らげ、結果として会場全体の滞在体験の印象を良くします。たとえば、入場までの待ち列に、これから体験する内容の一部を先取りで見せる掲示を置くと、待ち時間そのものが期待感に変わり、入場後の体験への集中度も上がります。
投稿を条件に特典を渡す場合は何に気をつけるべきか
一般来場者に「投稿したら特典」という形で呼びかける場合、タイアップ投稿のPR表記とは?ステマ規制の基本と実務の型 で扱っている表示の考え方が関わってきます。対価と引き換えに投稿を促す形になるため、表示のルールに沿った伝え方を事前に整理しておく必要があります。一般来場者への呼びかけは不特定多数に向けたものになりやすく、個別のやり取りが残る招待者向けの依頼よりも、前提の伝え方があいまいになりがちな点にも注意が必要です。個別の投稿が規制の対象に当たるかどうかの判断は、この記事の範囲を超えるため、ここでは扱いません。特典の内容や参加条件を会場内の掲示にだけ書いて済ませるのではなく、投稿を求める場合の前提を、来場者が迷わない言葉で示しておくことが実務上の備えになります。
同じことを繰り返さないために設計の段階で決めておくことは何か
- 招待者向けの体験と、一般来場者向けの投稿施策を、別のものとして企画の最初から分けて考える
- フォトスポットは主要動線を塞がない位置に複数箇所用意する
- 投稿を促す文言は提案型にし、強制感のある言い方を避ける
- 待ち時間に見てもらえる掲示・体験を、列の長さに応じて用意する
- 投稿と特典を結びつける場合は、表示のルールを事前に確認しておく
こうした一般来場者向けの設計も、SNSアクティベーション(体験がSNSで語られるところまでを含めて設計するアクティベーション)の考え方の一部です。体験の設計から実測までの相談は、サービスページ で受けています。
この記事の範囲
この記事では、店頭・商業施設のイベントで一般来場者の投稿を増やすための設計の考え方を扱っています。個別の会場の設計図や、具体的な特典の内容については、ここでは判断していません。招待者向けの体験設計そのものについては、別の記事で扱っています。
おわりに
一般来場者の投稿は、招待者の投稿とは別の設計が必要です。撮りたくなる場所と、投稿しやすいきっかけ、待ち時間の使い方の3点を会場の設計に組み込んでおくことが、投稿を増やすための土台になると考えています。招待者向けの体験づくりと一般来場者向けの設計を、最初から別の仕事として企画段階に位置づけておくことが、見落としを防ぐ近道になります。