SNSアクティベーションとは — 体験がSNSで語られるところまでを設計する手法
SNSアクティベーションとは、体験の設計そのものだけでなく、その体験がSNSで語られるところまでを含めて設計するアクティベーションを指します。会場に来た人の体験だけで完結させず、投稿やシェアを通じて会場の外にいる人にまで届くことを、企画の最初から前提に置く点が従来のイベント施策との違いです。
| 要素 | 何をすることか | なぜ必要か |
|---|---|---|
| 体験を設計する | 来場者が自分の言葉で語れる体験の中身と場を用意する | 語れる体験がなければ、投稿のきっかけ自体が生まれない |
| SNSで広がるようにする | 撮影・投稿がしやすい場所や仕掛けを会場側に置く | 体験が良くても、投稿のしやすさが低いと言葉にされないまま終わる |
| 結果を実測する | 投稿率・言及の広がり・事後の指名検索を測る | 来場者数だけでは、体験が外へ伝わったかどうかが分からない |
SNSアクティベーションとブランドアクティベーションは何が違うのか
ブランドアクティベーションとは?SNS時代のイベント設計の基礎 で扱っているブランドアクティベーションは、ブランドの世界観や商品を、来場者が体験できる形に変えて見せる施策全体を指す、より広い言葉です。SNSアクティベーションは、そのブランドアクティベーションのうち、体験がSNSで語られるところまでを設計の範囲に含めたものです。両者は対立する概念ではなく、SNSアクティベーションはブランドアクティベーションの設計の仕方の一つだと捉えると整理しやすくなります。言葉を分けて使う理由は、投稿やシェアの発生を最初から設計対象にするかどうかを、企画の段階で明確にするためです。会場の体験だけを作り込んで、投稿につながる仕掛けを後から付け足そうとすると、体験の設計と投稿の設計がずれてしまい、どちらも中途半端になりやすくなります。
どんな施策に向いていて、どんな施策には向かないのか
向いているのは、来場者自身が体験しないと伝わらない要素を持つ施策です。たとえば、新商品の発表会で香りや質感を実際に試してもらう場、期間限定のポップアップで世界観を空間として見せる場などは、体験そのものに言葉にしたくなる要素があり、SNSアクティベーションとして設計する効果が出やすくなります。たとえば、複数ブランドが参加する期間限定の体験型施設で、来場者が自分のペースで回れる構成にする場合も、区画ごとに撮影・投稿のきっかけを置きやすく、向いている形です。一方、情報を正確に伝えることが目的の記者発表や、来場者がごく少数に限られる商談中心の場は、体験を広げることよりも内容の正確さが優先されるため、SNSアクティベーションとして設計する必要性は低くなります。向き不向きを見誤ると、体験の設計に力を入れても投稿につながらない、という結果になりやすくなります。
進め方はどのような流れになるのか
- 目的を決める(認知を広げたいのか、ブランドの理解を深めたいのか)
- 届けたい相手と、語ってもらいたい言葉の方向性を決める
- 体験の中身と、投稿しやすい場所・仕掛けを会場の設計に落とし込む
- 招待する人と、当日の運営の流れを決める
- 投稿率・言及の広がり・事後の指名検索を測り、次回の設計に反映する
体験の設計から実測までを依頼する場合の窓口は、SNSアクティベーションのサービスページ にまとめています。
効果はどう測ればよいのか
実測の数字は、公開済みの記事でも示しています。イベント来場者の投稿率94.6%――10名前後を境に、見積もりの前提が変わる では、招待人数と投稿率の関係を扱っています。SNSアクティベーションの効果を社内で説明する際は、来場者数だけでなく、この投稿率と事後の指名検索の変化をあわせて報告すると、体験が外へ伝わったかどうかを示しやすくなります。来場者数だけを成果として報告すると、体験が会場の外まで届いたかどうかが分からないまま終わってしまいます。
導入のときによくある誤解は何か
「SNSで話題になればよい」という目的だけで企画を進めると、投稿の数は増えても、ブランドの理解が深まらないまま終わることがあります。投稿のきっかけを作ることと、ブランドについて語ってもらう内容の方向性を決めることは別の設計であり、どちらも企画の初期段階で決めておく必要があります。また、SNSアクティベーションは話題性だけを目的にした一過性の施策ではなく、体験の質を保ちながら外へ伝える設計である、という前提を社内で共有しておくことも誤解を防ぐ助けになります。
この記事の範囲
この記事では、SNSアクティベーションという言葉の定義と、ブランドアクティベーションとの関係、向き不向き、進め方の流れを扱っています。個別の施策の効果や、具体的な投稿率の目標値については、案件ごとの条件によって変わるため、ここでは判断していません。
おわりに
SNSアクティベーションは、体験の設計とSNSで語られるところまでを、最初から一続きに考える設計の仕方です。来場者数だけで成果を測ろうとすると、体験が外へ伝わったかどうかを見落としてしまいます。私たちは、体験の設計と実測の両方を一緒に考えることを大切にしています。