拡散力重視の広く浅い起用と、少数深く関わる起用、どちらを選ぶべきか
拡散力の高いインフルエンサーに幅広く依頼するより、ブランドの世界観と発信トーンが近い少数のインフルエンサーに絞って深く関わってもらうほうが、認知の獲得とブランドイメージの毀損回避を両立しやすいです。広く浅い起用は届く母数を稼げますが、トーンの不一致が起きた投稿がそのまま拡散されるリスクも比例して増えます。少数に絞って深く関わる起用は、母数こそ小さくなりますが、世界観の一致を丁寧に確認できるため、ブランドイメージを損なうリスクを押さえながら質の高い発信を得やすくなります。
なぜ拡散力だけで選ぶと、世界観の不一致リスクが高まるのか
拡散力を基準に候補を広く集めると、フォロワー数やエンゲージメントの数値だけでフィルタリングされやすくなり、一人一人のフィードの雰囲気や発信の温度感を確認する工程が省略されがちです。キャスティングの成否は、リストの段階でほぼ決まっている でも触れた通り、数値だけで絞ったリストには、数字上は条件を満たすが世界観が合わない候補が混ざりやすくなります。依頼人数が増えるほど、候補一人ひとりにかけられる確認の密度は低くなりやすくなります。
少数に絞って深く関わることで、何が変わるのか
候補の数が少なければ、依頼内容の説明ややりとりにかけられる時間を、一人あたり十分に確保できます。キャスティングが二段階である理由を扱った「探す」を「見比べる」に変える——起用における順序の効果 でも触れた通り、少数に絞られているからこそ、一人ひとりとの関わりを深くでき、世界観の一致を確かめながら進める余地が生まれます。
広さと深さは、どちらを優先すべきか
新商品の発売直後など、広い認知を短期間で得ること自体が目的である場面では、拡散力を優先する判断に合理性があります。一方で、長期的なブランドイメージの形成や、世界観の精度が問われる施策では、少数に絞って深く関わる方が適しています。どちらが優れているかではなく、施策の目的が短期のリーチなのか、長期の世界観形成なのかで判断を分けるべきです。
少数に絞る起用で、気をつけるべきことは何か
少数に絞ると、一人あたりの投入工数が増える一方で、全体のリーチは小さくなります。このトレードオフを事前に関係者と共有しておかないと、施策後に「思ったより届いていない」という評価になりかねません。少数に絞る判断をする際は、リーチではなく世界観の一致度を成果指標にすることを、施策開始前にすり合わせておく必要があります。
拡散力と世界観の一致は、どちらか一方を常に選ぶものではなく、施策の目的に応じて使い分けるものだと考えています。