インフルエンサーへの修正指示はどこまで出してよいか
修正を依頼してよいのは、事実誤認やPR表記の不備、薬機法など守るべき表記に関わる点に限られます。言い回しや話し方、編集の間合いといったトーンにまで細かく指定することは避けるべきです。そこに踏み込むと、投稿を断られたり、本人の言葉ではない不自然な仕上がりになりやすくなります。
修正を依頼してよい範囲はどこまでか
事実に反する記載、景品表示法やステマ規制に関わるPR表記の欠落、薬機法上言い切れない効果効能の断定など、公開後にブランド側とインフルエンサー本人の双方がリスクを負う点については、修正を依頼して構いません。これらは好みの問題ではなく、守るべき基準があるものだからです。依頼するときは「なぜその点を直してほしいのか」という理由もあわせて伝えると、本人が納得したうえで修正しやすくなります。
言い回しやトーンにまで踏み込むと何が起きるか
文章の言い回しやカット割り、話し方の間合いといった表現の細部は、インフルエンサー本人の発信スタイルの一部です。ここまで指定してしまうと、普段の投稿と明らかにトーンが異なる仕上がりになり、フォロワーには広告色の強い投稿として受け止められやすくなります。結果として、狙っていた自然な言及という価値そのものが失われてしまいます。また、修正の指示が細かくなるほど、本人が投稿自体を断る判断をする可能性も高まります。
修正依頼はどう伝えれば角が立たないか
「ここは事実と異なるため直してほしい」「ここはPR表記が必要な箇所なので追加してほしい」というように、直してほしい理由と該当箇所を具体的に伝えることが基本です。書き換えた文章そのものを渡すのではなく、直すべき点を伝えたうえで、表現そのものは本人に委ねる形が望ましいです。
判断に迷ったときはどこで線を引くべきか
迷ったときの基準は「その修正が守るべき規則やブランドの信頼に関わるものか」、それとも「単に自分たちの好みに近づけたいだけか」を自問することです。前者であれば依頼してよく、後者であれば依頼を控えるべきだと私たちは考えています。
この記事の範囲
本稿が扱うのは、投稿前の原稿や台本段階での修正依頼の範囲についてです。契約書に明記された納品物の仕様や、依頼時点で合意した投稿本数・使用期間などの条件については扱っていません。依頼の粒度そのものについては、同じ商品でも、依頼の粒度で成果物が変わる——ブリーフィング設計の実務論 で扱っています。PR表記の基本については タイアップ投稿のPR表記とは?ステマ規制の基本と実務の型 をご覧ください。
おわりに
修正を依頼してよいのは、守るべき基準に関わる点だけです。表現の細部は本人に委ねることが、自然な投稿と長期的な信頼関係の両方を守ります。